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経験は、相手の課題の言葉に置き換えると仕事になります

すでにある経験をいかに誰かの課題解決に翻訳するかが、事業化の最短ルートになります。

公開日:2022年10月1日 / 独立の設計

つまずくのは、たいてい三か所です

自分の経験を仕事にしようとするとき、多くの人が同じ場所で止まります。挙げられているのは三つです。

一つめは、強みの言語化。自分では当たり前すぎて気づけない、という壁です。二つめは、ニーズの翻訳。強みを相手の課題に変換できない、という壁です。三つめは、表現力。伝わる形にできない、という壁になります。

三つとも、能力が足りないから止まっているのではありません。持っているものを、別の言葉に置き換える工程が抜けているだけです。

「自分には当たり前」のものが、価値になります

紹介されているのは、スラトレ®認定トレーナーのTOMOさんの事例です。本人が公開している経歴によると、国内客室乗務員として6年、外資系ホテルで2年。延べ130万人を超える接客の経験があります。2022年よりメンタル思考トレーニングを受講し、約2年半で認定トレーナーとしてのコーチ像を確立されました。

スタートは順風満帆ではなく、自分には向いていない、どう活かせば良いか分からない、という葛藤の連続だったと語られています。長く続けた仕事ほど、その内容は本人にとって空気のようになります。だから、価値として数えられません。

数字にすると、様子が変わります。延べ130万人という数字は、経験の量をそのまま実績として示します。元客室乗務員と元ホテルマンという二つの肩書きの組み合わせも、信頼性を支える材料になっています。

経験を、相手の課題の言葉に置き換えます

立ち上げられたのは、接客業のストレス・トラブルをゼロにする、というテーマに特化した企業研修です。並んでいるのは四つで、それぞれに目的がついています。

接客スキルアップ研修は、クレーム対応力の向上のため。インシデント管理研修は、トラブル防止と対応策のため。ストレスマネジメント研修は、職場メンタルの安定化のため。リーダーシップとコミュニケーションの研修は、チーム力の底上げのためです。

並べ直すと、主語が入れ替わっているのが分かります。左側は自分の経験、右側は企業が抱えている現実の課題です。この右側の言葉を持てるかどうかが、一般論の研修と、自分の経験でしか語れないリアリティのある研修とを分けています。

掛け算で、自分の位置をつくる

自分の専門とメンタル思考トレーニングを掛け合わせる例が、六つ挙げられています。薬剤師なら健康相談や生活習慣のサポート。看護師なら医療従事者へのメンタルケア研修。鍼灸師なら東洋医学とストレスマネジメント。養育者なら子育て世代のストレス対処法。営業職なら顧客接点の質を高める研修。教育者なら学校現場のメンタル環境づくり。

掛け算にする理由は、単独では比べられてしまうからです。片方だけなら先行している人がいます。二つを掛けた位置には、まだ人が立っていないことがあります。

過去の経験は必ず誰かの役に立ちます。まずはそう信じて、小さく言語化することから始まります。試行錯誤の過程そのものが、事業の強度になっていきます。

話せなかった過去が、相手の課題の言葉に置き換わった瞬間、それは仕事になります。隠しておくものとして抱えていたものが、渡せる中身に変わります。経歴の欠けを埋めようとする手が止まり、経歴そのものを差し出す手が動きます。掛け算が効くのは、この置き換えが起きたあとです。

※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
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