日本の健診は、受けるところまでが手厚く整っています
日本が世界に誇れるもののひとつに、医療制度があります。国民皆保険がよく知られていますが、もうひとつ挙げたいのが健診事業です。この低価格で、これほど充実した検査項目を提供している国は、世界でも他に例を見ません。
検査を担当する医療スタッフの技術は非常に精密で、受ける人への接し方も丁寧そのものです。一般的な地域の健康診断では、ほとんどの必要項目が網羅されています。地域や年齢などの条件に該当すれば、料金のかからない形で受けられる場合もあります。
つまり、受けるところまでは、すでに整っています。年に一度という頻度も、続けられる範囲に収まっています。
足りないのは、結果を解説する側です
唯一足りない部分があるとすれば、それは結果を解説する医師の不足です。多くの健診施設で、結果を受け取った人がその意味を十分に理解できないまま終わってしまうことが、少なくありません。
紙は届きます。数字も並んでいます。けれど、その数字が自分の生活のどこと結びついているのかまでは、紙の上に書かれていません。結果を理解し、解釈するというプロセスこそが、健康管理の要になります。
健診は、受けた時点ではまだ半分です。結果を持って、一緒に見ながら読み解くところまでを一続きにすると、翌年の過ごし方が変わってきます。
状態をもう少し深く知りたいときの、三つの検査
健康状態をさらに深く把握したい場合に挙げられる追加検査が、三つあります。
一つめは頸動脈超音波、いわゆる頸動脈エコーです。動脈硬化の早期発見に非常に有用で、血管内の異常を早期に見つけることで、普段気をつけるべき運動習慣や食生活の改善点が明確になります。将来的な心筋梗塞や脳梗塞のリスクに目を向けて予防に取り組む、きっかけにもなります。
二つめは心エコー、または負荷心電図です。心臓の機能を確認するための検査で、負荷心電図は実施できる施設が限られますが、心エコーでも十分な情報が得られます。結果によっては、心拍数を上げるアップテンポな体操が適しているか、逆に上げすぎない体操を選ぶべきかを考える手がかりになります。
三つめは腹部エコーです。脂肪肝の有無をチェックできます。CTスキャンでも確認できますが、超音波検査には放射線被ばくの心配がなく、実施できる施設が多い点が挙げられています。形そのものの変化にあたる器質的変化まで進んでいないかを、ここで見ます。
今できることを、投資の側に置く
健康管理において、遅すぎるということはありません。今できる対策を始めることで、現在を浪費や消費にせず、将来への投資に変えることができます。
数字の意味が分かると、選ぶ体操が変わります。どの検査を足すかも変わります。同じ一年を過ごしても、手元に残るものが違ってきます。健康診断は、ただの義務ではありません。自分自身や大切な家族のために、未来を見つめる投資です。
受けるだけで終わらせず、その先を一緒に見ていく。ここを一続きにするかどうかが、分かれ目になります。