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習慣は、脳の回路にどう刻まれるか

繰り返される思考や行動が神経シナプスの結合を強め、習慣として脳に刻まれていく仕組みについての話です。

公開日:2024年10月21日 / 気持ちと考え方

資料を開いた瞬間に、直すところが先に見える

部下から上がってきた資料を開きます。全体はよくできている。それなのに、目が先に止まるのは、そろっていない行間のほうです。

指摘して、直してもらって、その日は終わる。ところが夜、布団に入ってから、また同じ人の同じところが浮かんできます。気づくと奥歯を噛んでいて、肩が上がったまま横になっている。

こういう見方をやめようと決めても、翌朝また同じところへ目が行きます。意志が弱いからではなく、別のことが起きています。

何度も通った道には、草が生えなくなる

野原に、細い道ができていることがあります。誰かが舗装したわけではなく、人が何度も同じところを通ったから、そこだけ草が減って歩きやすくなっただけです。

脳の中でも、似たことが起きています。繰り返される思考や行動によって、神経シナプスの結合が強化されます。同じ考え方を何度も通すほど、その道は歩きやすくなる。何も考えずに歩き出すと、いちばん歩きやすい道へ足が向きます。

道ができているのは、何度もそこを歩いたからです。歩いた回数が多い方ほど、太い道を持っています。ものごとをよく見る人ほど、見るための道が太くなる、ということでもあります。

たとえば、誰かの悪いところにばかり目が行く。この道を通るたびに、対応するシナプス結合が強まって、やがて根深い習慣になっていきます。毎日ネガティブ思考を鍛えているのと、脳の側から見れば同じことです。スラトレ®では、この状態を受講生の方々が「こじらせ」と表現されることがあります。状態をよく言い表している言葉だと思います。

良い習慣も、そうでない習慣も、道のでき方は変わりません。ここがこの話の要点です。

新しい道は、最初は歩きにくい

太い道を細くする方法は、あまりありません。かわりにできるのは、隣に新しい道を作ることです。

最初は草をかき分けることになるので、歩きにくく感じます。歩きにくいから、無意識のうちに古い道へ戻ります。意識的に取り組まなければ簡単にはいかない、というのはこの部分です。

そこでスラトレ®では、脳の可塑性を踏まえた習慣の見直し方を、シンプルなノート術に落とし込んでいます。大切にしているのは、三つの視点です。一つめは感情の整理。ためこまずに、区切りをつける考え方を身につけます。二つめは論理的思考力の活用。感情だけでなく、合理的な視点も並べます。三つめは新しい思考回路の意識づけ。どちらへ道を伸ばすのかを、先に決めておきます。

何歳からでも、と考えられる理由

ネガティブな習慣は「こじらせ」につながりやすく、長年続くと、当たり前の思考回路になっていきます。それでも、脳の可塑性を踏まえれば、何歳からでも新しい道を意識して育てていけると考えています。

大切なのは、通る回数のほうです。太くしたい道を、少しずつ通る。1mmでも前に進むために——そのための具体的な考え方を、これからも磨いていきます。

通る回数で決まると分かると、三日でやめた自分を責める材料が一つ減ります。今日通れなかった道は、明日また通ればいい。うまくできたかどうかで採点していた進み方が、何回通ったかで見る進み方になります。意志の強さを気にしていた力は、そのまま、回数を置きにいく手に使えます。

※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
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