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気持ちの切り替えが早い人は、何をしているのか

立て直しの早さは、性格の差に見えて、置き場が決まっているかどうかの差であることが少なくありません。

公開日:2026年8月3日 / 自分の整え方

翌朝、隣の席の人はもう普通に話している

会議で強い言い方をされた翌朝のことです。同じ場にいた隣の席の方が、いつもの調子でおはようございますと言ってくる。

こちらは、昨日の言葉がまだ喉のあたりに残っています。何度も再生してしまうし、朝、起き上がるまでに少し時間がかかった。同じ場面にいたはずなのに、戻る速さがここまで違うのはなぜなのか。

同じ人に、同じことを言われて、片方だけが引きずる。この差は、打たれ強さの差として説明されがちですが、もう少し別のところに理由があります。

早い人は、手が速いのではなく、置き場が決まっている

台所を思い浮かべてみます。洗い物のあと、片づけが早い家と、そうでない家があります。差がつくのは手の速さではありません。菜箸をどこへ入れるかが決まっているかどうかです。

置き場が決まっていれば、持ったものをそこへ入れるだけで終わります。決まっていないと、持ったまま、どこへ置くかを考えることになります。持っている時間が長くなるのは、迷っている時間が長いからです。

気持ちも同じです。下がったときに何をするかが決まっていれば、決める作業が省けます。決まっていないと、すでに下がっている状態のまま、対処法を一から探すことになります。いちばん力が出ないときに、いちばん頭を使う作業が回ってくる形です。

切り替えが早く見える方は、この置き場を持っていることがあります。忘れているわけではありません。覚えたうえで、次に何をするかへ移るのが早いだけ、という場合があります。

切り替えられない側が、雑なわけではありません

戻るのに時間がかかるのは、感じたことをそのまま流さずに扱っているからです。言われた言葉を何度も再生してしまうのは、その言葉の中身をちゃんと受け取ったということでもあります。受け取らない人は、再生もしません。

だから、早く戻れる人のほうが優れている、という話にはなりません。切り替えが早すぎる人が冷たく見えることがあるのは、この裏返しです。

問題は速さそのものではなく、下がったまま止まっている時間が、生活のほうへはみ出してくるかどうかです。眠りが浅い日が続く。食事の途中で、昨日の場面が戻ってくる。肩が上がったまま一日が終わる。ここまで来ているときは、置き場が決まっていないぶんの負担が、身体の側に出ていると読めます。

置き場は、人によって違います

誰にでも同じものが合うわけではありません。眠れば戻る方もいれば、身体を動かしたほうが早い方もいます。誰かに話すことで整理がつく方もいれば、一人になる時間が要る方もいます。

うまくいっている人のやり方をそのまま真似ても、合わないことがあるのはこのためです。要るのは、自分の場合に何が効いているのかを、実際に試して確かめていく作業のほうです。

スラトレ®がしているのは、この確かめる作業を自分の手でできるようにすることです。対話ノートという書き方を身につけて、自分に合う置き場を自分で見つけられるところまで練習します。効き方には個人差があり、同じ手順が誰にでも同じように働くとは限りません。だからこそ、確かめる作業そのものを技術として扱います。

翌朝いちばんに、菜箸をどこへ入れるかが決まっているかどうか。扱っているのは、そこです。

※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
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