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考えすぎて動けないとき、頭の中で起きていること

決めたいのに決められないとき、動いているのは材料ではなく、はかりのほうです。

公開日:2026年8月3日 / 気持ちと考え方

夜十一時、まだ同じところを回っている

ある経営者の方から、こんな話をうかがいました。返事を明日の朝までに出さなければならない。材料は前の日にそろっている。それなのに、夜の十一時になっても決まっていない。

机の前で、同じ三つの案を何周も並べ直している。一周するたびに順番が少し変わる。けれど結論は、いつも同じところへ戻ってくる。ふと気がつくと肩が上がっていて、息が浅くなっている。

これは考えているように見えて、少し違うことが起きています。

材料は増えていないのに、はかりのほうが揺れている

決めるという作業は、材料を並べて重さを比べることです。材料がそろえば、比べる作業はそこで終わります。終わらないときは、材料の側ではなく、はかりの側で何かが起きています。

たとえば、朝から画面を見続けていて目の奥が重い。三日つづけて眠りが短い。昼に言われた一言が、まだ喉のあたりに残っている。どれか一つが原因というより、いくつかが同時にはかりへ乗っている状態に近いものです。

はかりが揺れていると、同じ材料を何度のせても、針は止まりません。だから「気にしないようにしよう」と決めても、うまくいかないことがあります。気にしている中身より、はかりが揺れていることのほうが先にあるからです。

何周もしてしまう人は、めずらしくありません。むしろ、材料をよく見る人ほど、よく回ります。ていねいに比べようとするほど、はかりの上をものが往復するからです。

何周もするのは、壊れているからではない

三日眠れていない夜の十一時に、この先を分けるような返事を一発で決められる人がいたら、そちらのほうが不思議です。何周もするのは判断力の問題というより、条件の問題として説明がつくことがあります。

そこで、扱う順番を入れ替える方法があります。決めることを一度わきに置いて、身体の状態のほうを先に動かす。立ち上がる、窓を開ける、眠る時間を確保する。頭の中の問題を、頭の外側から扱う形です。

気休めの話ではありません。考える中身と、考えるときの状態は互いに影響し合う。その前提に立った順番です。順番を入れ替えたところで材料は一つも減りませんが、はかりのほうは落ち着くことがあります。

スラトレ®が扱っているのは、この順番

スラトレ®は、考え方を上書きするものではありません。心と身体の両方を材料にして、自分の手で状態を整えられるようになるためのトレーニングです。何を考えるかではなく、どういう状態で考えるか。そこに手を入れます。

そのため、指導者が答えを渡す形はとりません。対話ノートという書き方を、自分の手で使えるようになるまで練習します。夜十一時に一人で回っているとき、手元に道具があるかどうか。扱っているのは、そこです。

道具が手元にあると、夜十一時の使い方が変わります。回り続けるのを待つ時間ではなく、書いて終わらせる時間になる。

書き終えて寝た翌朝は、はかりが平らです。前の晩と材料は一つも減っていないのに、決まるまでが速い。何を選ぶかを左右していたのは、材料よりも、こちらの状態でした。

※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
スラトレ®は、自分の才能を、自分で扱えるようになるためのメンタル思考トレーニングです。いまの才能タイプと思考のクセが六角形で出る、30の質問を置いています。自分の才能タイプを見る(30の質問)