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考えすぎて動けないとき、頭の中で起きていること

決めたいのに決められないとき、動いているのは材料ではなく、はかりのほうです。

公開日:2026年7月4日 / 気持ちと考え方

相談者

考えれば考えるほど、動けなくなります。

皆さんこんにちは、Dr.EKO博士です。
毎日をキラッキラに生きるThrive(スライブ)のためのトレーニング、スラトレ®を運営しています。

夜十一時、まだ同じところを回っている

ある経営者の方から、こんな話をうかがいました。
返事を明日の朝までに出さなければならない。
材料は前の日にそろっている。
それなのに、夜の十一時になっても決まっていない。

机の前で、同じ三つの案を何周も並べ直している。
一周するたびに順番が少し変わる。
けれど結論は、いつも同じところへ戻ってくる。
ふと気がつくと肩が上がっていて、息が浅くなっている。

これは考えているように見えて、少し違うことが起きています。

材料は増えていないのに、はかりのほうが揺れている

決めるという作業は、材料を並べて重さを比べることです。
材料がそろえば、比べる作業はそこで終わります。
終わらないときは、材料の側ではなく、はかりの側で何かが起きています。

たとえば、朝から画面を見続けていて目の奥が重い。
三日つづけて眠りが短い。
昼に言われた一言が、まだ喉のあたりに残っている。
どれか一つが原因というより、いくつかが同時にはかりへ乗っている状態に近いものです。

はかりが揺れていると、同じ材料を何度のせても、針は止まりません。
だから「気にしないようにしよう」と決めても、うまくいかないことがあります。
気にしている中身より、はかりが揺れていることのほうが先にあるからです。

何周もしてしまう人は、めずらしくありません。
むしろ、材料をよく見る人ほど、よく回ります。
ていねいに比べようとするほど、はかりの上をものが往復するからです。

何周もするのは、壊れているからではない

三日眠れていない夜の十一時に、この先を分けるような返事を一発で決められる人がいたら、そちらのほうが不思議です。
何周もするのは判断力の問題というより、条件の問題として説明がつくことがあります。

そこで、扱う順番を入れ替える方法があります。
決めることを一度わきに置いて、身体の状態のほうを先に動かす。
立ち上がる、窓を開ける、眠る時間を確保する。
頭の中の問題を、頭の外側から扱う形です。

気休めの話ではありません。
考える中身と、考えるときの状態は互いに影響し合う。
その前提に立った順番です。
順番を入れ替えたところで材料は一つも減りませんが、はかりのほうは落ち着くことがあります。

スラトレ®が扱っているのは、この順番

スラトレ®は、考え方を上書きするものではありません。
心と身体の両方を材料にして、自分の手で状態を整えられるようになるためのトレーニングです。
何を考えるかではなく、どういう状態で考えるか。
そこに手を入れます。

そのため、指導者が答えを渡す形はとりません。
対話ノートという書き方を、自分の手で使えるようになるまで練習します。
夜十一時に一人で回っているとき、手元に道具があるかどうか。
扱っているのは、そこです。

道具が手元にあると、夜十一時の使い方が変わります。
回り続けるのを待つ時間ではなく、書いて終わらせる時間になる。

書き終えて寝た翌朝は、はかりが平らです。
前の晩と材料は一つも減っていないのに、決まるまでが速い。
何を選ぶかを左右していたのは、材料よりも、こちらの状態でした。

※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
Dr.EKO博士

この記事を書いた人

Dr.EKO博士