「いつも助かってる」と言われるたびに、肩が重くなります。
皆さんこんにちは、Dr.EKO博士です。
毎日をキラッキラに生きるThrive(スライブ)のためのトレーニング、スラトレ®を運営しています。
ほめ言葉のはずなのに、重くなる
会議が終わって、席を立つときに言われることがあります。
いつも助かってるよ、ちゃんとしてくれるから。
悪い言葉は一つも入っていません。
それでも、エレベーターを待っているあいだに、少しだけ肩のあたりが重くなる。
次も同じようにやらなければ、という文が、聞いた本人の中で勝手に足されているからです。
がっかりさせないように。
迷惑をかけないように。
大人としてふるまえるように。
そうやって置いた基準は、たいてい下げにくくなります。
一度その水準で応えてしまうと、次からはそこが出発点になるからです。
しかも、うまくいっているあいだは誰も止めません。
目の細かい網を持っている
きちんとやる力は、目の細かい網のようなものです。
細かいところに気がつく、先を見て手を打つ、任されたことを最後まで持つ。
網の目が細かいので、流れてくるものをよく拾えます。
仕事の中では、これがそのまま効きます。
問題は、網に枠がついていないときです。
どこまでが自分の担当で、どこからが違うのか。
枠が決まっていないと、目に入ったものが全部、自分の網に乗ってきます。
拾わずに通すのは、網の性能が高いほど難しくなります。
性格の問題ではなく、網の目の細かさの話です。
しかも、枠を決めないほうが、その場は静かに収まります。
誰かに確認する手間も、断る説明も要りません。
だから枠は決まらないまま、少しずつ広がっていきます。
重さに変わったときに出てくるもの
境目は分かりにくいのですが、いくつか兆しがあります。
本当は疲れているのに、大丈夫と答えている。
納得していないのに、はい、と返している。
断る理由を、相手が納得しそうな形に組み立ててから話している。
飲み込んだ一言が、喉のあたりに残ったまま夜になる。
どれも一度なら自然なやりとりです。
ただ、それが続いているとき、自分の状態を伝える回路のほうが先に閉じていることがあります。
閉じたまま引き受け続けると、朝、目が覚めた瞬間から今日の予定の重さが先に来るようになります。
厄介なのは、この状態でも仕事が回ってしまうことです。
回っているあいだは問題として扱われません。
だから、気づくのは本人だけということになりがちです。
手を抜く、では解決しません
この状態に対して、力を抜こう、適当でいい、といった助言が返ってくることがあります。
ただ、目の細かい網を持っている人にとって、それは実行できない指示です。
できないことを言われると、できていない自分がもう一つ増えます。
助言の向きも少しずれています。
問題は網の目の細かさではなく、枠がついていないことのほうにあります。
性能を落とす話ではなく、枠を置く話です。
減らすのではなく、線を引く。
何を引き受けて、何を引き受けないのか。
そして、自分がいまどう感じているのかを、まず自分に対して言葉にする。
順番としては、こちらが先に来ます。
線を引いた翌朝は、目が覚めた瞬間に予定の重さが来ません。
来るのは、今日やると決めた一つです。
網の目は細かいままで構いません。
細かい網は、拾いたいものを拾うための道具です。
誰の分まで拾うかを自分で決めた日から、その細かさは、消耗ではなく持ち味になります。
